日本中のフリーWi-Fiへの自動接続を可能にするアプリ、「タウンWiFi by GMO」。通信料に悩むユーザーから圧倒的な支持を集め、2016年のリリースからたった5年でダウンロード数1,000万件を突破、月間利用者数は約400万人と飛躍的な成長を遂げています。
そこで今回は、本アプリのリリース元であるGMOタウンWiFi株式会社のプロモーション部 部長 中馬隼人 氏にインタビュー。本アプリの魅力や裏側から今後の展望まで、たっぷりとお話いただきました。
もくじ
アプリ情報
■「タウンWiFi by GMO」
|
「タウンWiFi」が創り出す、「誰もが自由にいつでもどこでもインターネットができる」世界。
ー:まずは自己紹介を兼ねて、本アプリにおける中馬さんの役割をお聞かせください。
中:GMOタウンWiFi株式会社のプロモーション部 部長を務めている中馬隼人と申します。
私の役割は、アプリの認知度向上に向けたPR・広報活動がメインです。これに加え、社内開発チームとともに新機能を考案するなど、アプリ自体の魅力アップにも取り組んでいます。
ー:では早速、御社のアプリ「タウンWiFi」についてお伺いします。このアプリが誕生した背景からお聞かせください。
中:弊社代表の荻田が楽天株式会社に勤めていた際、たびたびスマホに通信制限がかかっていたことがきっかけです。
通信速度の重さに大きなフラストレーションを感じた荻田は、「この問題はなんとか解決しなければならない」と決意し、独立。エンジニアと二人三脚で「タウンWiFi」を作り上げました。
ー:改めて、「タウンWiFi」の特徴をお聞かせいただけますか?
中:タウンWiFiは、公共施設・飲食店・交通機関など街中の“フリーWi-Fi”に自動で接続できるのが最大の特徴です。
通常フリーWi-Fiは、接続のたびに会員登録やログインを求められるもの。しかし、タウンWiFiを端末にインストールしておけば、Wi-Fiスポットに行くだけでアプリを開くこともなく繫がります。
初回ご利用時にいただく情報をもとに、タウンWiFiがユーザーさんに代わって登録・ログイン操作を実行する形ですね。また、アプリ上には近くのWi-Fiスポットが表示されるので、初めて行く場所でも楽々Wi-Fiを探せます。
これに加え、遅いWi-Fiには接続しない設定もできます。許容できる通信速度まで選択可能なので、利用シーンに応じて使い分けていただければなと。
ー:エリアはどの程度まで対応しているのですか?
中:首都圏を中心に全国47都道府県、Wi-Fiスポット数でいうと約35万か所に対応しています。また、海外もアメリカ・台湾・香港など一部対応していますが、99%は国内で使われていますね。
なお、都市部はもちろん地方でもよく利用されており、人口分布に比例する形で各地にユーザーさんがいます。
10代から80代まで幅広い年齢層の方にご利用いただいていますが、特に多いのは、郊外から都心に通勤されているような40~50代の男性です。
ー:対応するWi-Fiスポットの拡充は、どのように進めているのでしょうか。
中:Wi-Fiスポットを拡充するために、以下を同時に取り組んでいます。
1. 我々が対応できるWi-Fiを増やす
2. Wi-Fiの設置そのものを増やす
まず、“各ユーザーさんが手動で新たなフリーWi-Fiスポットに接続した履歴”を分析します。これを、対応可能なWi-Fiスポットとして追加していきます。
また、Wi-Fiの設置そのものの拡充に向けて、アプリ内に「Wi-Fi設置リクエスト」機能を設けています。そしてユーザーさんからのリクエストが多く集まった場所・施設に、Wi-Fiの設置を交渉していく形です。
ー:セキュリティ面でのリスク”を気にされるユーザーも多いかと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか?
中:そもそも近年は、大半のWebサイト・アプリが“通信の暗号化”によりセキュリティを担保できる仕組み「SSL」に対応しています。URLが「http」ではなく、「https」から始まるモノですね。そのため、フリーWi-Fi経由だとしてもアクセス先がSSL対応である限り、基本的にはデータの盗聴や改ざんのリスクは低いと言えます。
とはいえ、100%リスクがないとは言い切れませんから、フリーWi-Fi接続時は個人情報・カード情報などの入力は極力避けたほうが無難です。
なお、タウンWiFiには無料のVPN機能が設けられており、VPN機能のON・OFFでセキュリティレベルを調整できます。VPNとは仮想の専用回線を構築する仕組みであり、セキュリティをより強化することが可能です。不安な方は、ぜひONにした状態で利用してください。
「タウンWiFi」は、ユーザーの声で進化する。
ー:安全性もきちんと担保されているのですね。ユーザーからは、どのような声が届いていますか?
中:動画を安心して見られる・通信料を節約できた等のさまざまな声をいただいています。
中でも特に印象に残っているのは、「娘とのコミュニケーションのきっかけになった」という男性の声です。
思春期の娘さんからアプリを勧められたそうで、「最近会話が減っていた中でわざわざ自分に教えてくれたことも嬉しかったし、使い勝手の良さにも満足した」と。
このような声をいただくと、「タウンWiFiがユーザーさんの幸せに繋がったのだな」と私まで嬉しくなります。
ー:そのような声は、どこから拾っていらっしゃるのでしょうか。
中:基本は、アプリ内に設けた「お問い合わせ窓口」から拾っています。また、不定期でZoomを通じてお話したり、アンケートをご送付したりすることも。
ユーザーさんからは、アプリに対するご感想やご不明点はもちろん、「こんな機能が欲しい」などのご要望も寄せられます。
実は、ユーザーさんのご要望から誕生した機能も沢山あるのですよ。例えば、先ほどお話した「Wi-Fi設置リクエスト」機能がまさにそうです。「タウンWiFi」は、ユーザーさんの声で進化していると言っても過言ではありません。
なるべく多くの声を集め、ユーザビリティの向上に努めたいですね。
お得感アップを叶える新機能、「WiFiポイント」
ー:最近リリースされた新機能はありますか?
中:最近だと、対象のフリーWi-Fiに繋げるだけでポイントが貯まる「WiFiポイント」機能をリリースしました。貯まったポイントは、手数料無料でAmazonギフト券や楽天ポイントなどに交換できます。
フリーWi-Fiで通信料を削減できると同時にポイントも貯まっていくので、今まで以上にお得にご利用いただけます。
ー:新機能の付与も含め、御社がアプリを育てていく上での“こだわり”をお聞かせください。
中:ユーザーさんの利便性や快適性を追求するのはもちろん、同時に“我々が楽しいと思えるか否か”にもこだわっています。
我々自身が楽しめれば、仕事の質が向上してクオリティの高いモノに仕上がる。これは、ユーザーさんの満足度向上や新たなユーザーさんの獲得に繋がります。すると我々のサービスは拡大し、さらに楽しみが増えると。このように、非常に良い循環が生まれるのです。
ー:例えば、どんな時に楽しさを感じますか?
中:ダウンロード率などの“数字“の改善に繋がる工夫を考えるのも楽しいですが、数字には直接影響しないであろう部分にこだわるのにも面白みを感じます。
例えば、「WiFiポイント」にはクマのキャラクターが登場しますが、夏になったらこのクマに水着と浮き輪を着けるのもいいですよね。数字が改善するかはさておき、「夏らしくて可愛い」と癒されるユーザーさんもいるかもしれません。ユーザーさんとの距離を縮めるためにも、このようにちょっとした遊び心を盛り込むことも大切にしています。
ー:アプリの展開において、苦労されている点はありますか?
中:アプリ作りはトライアンドエラーの連続であり、「これはいけるだろう」と自信をもって打ち出した施策が失敗に終わってしまうこともしばしば。そこは、苦労している点だと言えるかもしれません。
例えばひとつ失敗例を挙げると…そもそもタウンWiFiは、近くの接続可能なフリーWi-Fiを検索する際に“端末の位置情報”を利用するため、操作説明画面にて位置情報へのアクセス許可をお願いしています。ただ、これはあくまで任意なので、中には許可しないユーザーさんもいらっしゃるわけです。
そこである時、「許可」を選ばないと先に進めない仕様にしてみたのです。我々の目的はアプリをインストールしていただくことではなく、ご活用いただくことですから。しかし、結果的には多くのユーザーさんがそこで離脱してしまったため、すぐ元の設定に戻しました。
今後も当然失敗はあるかと思いますが、挑戦を続け色々な可能性を探っていくつもりです。
タウンWiFiを軸とした企業向けサービスや、SNSの誹謗中傷対策サービスも展開
ー:御社はアプリを軸に、企業向けの集客・広告サービスも展開されていますよね。これらについてもお聞かせいただけますか?
中:企業向けの集客・広告サービスとしては、「TownWiFi Analytics」と「TownWiFi Ads」の二つをリリースしています。
「TownWiFi Analytics」は、店舗の“見込み客”を抽出できる分析ツールです。このツールにはタウンWiFiの接続情報、つまりユーザーさんの位置情報・年齢・性別などのデータが集まるため、店舗の近くにどんなユーザーさんがいるか=見込み客がいるかを把握できます。
加えて、店舗のWi-Fi接続状況を確認することにより、この見込み客が実際に来店したかの測定も可能です。
中:そして「TownWiFi Ads」は、位置情報をもとにした広告ツール。見込み客のスマホが指定のWi-Fiへ繋がった瞬間に、Push通知で商品・サービスのPRができます。
つまり、店舗のWi-Fiへ繋がった瞬間や来店した瞬間、電車に乗り込んだ瞬間でも、自由にアプローチ可能です。また、通知エリアの設定や、年齢・性別を掛け合わせたターゲット設定もできるため、例えば「店から2km圏内にいる30代女性のスマホに、クーポンを表示させる」ことなどができるのです。
このように“特定の場所にいる特定の人達に、リアルタイムでアプローチできるツール”はなかなか存在しないので、ぜひご活用いただきたいですね。
ー: 実際に使われた企業からは、どんな声が届いていますか?
中:例えば、ある商業施設さんからは「テレビCMのように、商圏外にもアプローチできて便利」という声をいただいています。
あとは、「プッシュ通知だからユーザーの目に留まりやすいのが良い」という声も多いです。やはりチラシやバナー広告とは異なり、ダイレクトに届けられるというのは大きいのかなと。
ー:最近リリースされたサービス「SNS PEACE」についてもお聞かせください。
中:「SNS PEACE」は、SNSの誹謗中傷からユーザーさんを守るサービスです。ダイレクトメッセ―ジやリプライなどに含まれる不適切な内容をAIが検知し、自動でミュートまたは非表示にします。まずは拡散力の高い“Twitter”からご提供を始めましたが、今後は連携できるSNSを拡張していく予定です。
近年、SNSでの誹謗中傷が引き起こす不幸な事件が増えていますよね。「SNS PEACE」は「すべての人に安心してSNSを利用してほしい」という想いから始めたサービスなので、広く普及するよう尽力したいと考えています。
「シームレスなWi-Fi利用」で、ユーザーをハッピーに。ゆくゆくは、さまざまな社会課題にもアプローチしたい
ー:ユーザーへ真摯に向き合い続けてきた御社ならではのサービスだと感じます。今後、リリースを予定されている新サービスなどはありますか?
中:直近で言うと、クイズに解答することで「WiFiポイント」が貯まるコンテンツを8月頭にリリースします。
現在我々は「WiFiポイント」の交換先を充実させること、そしてポイントが貯まる機会を増やすことに力を入れているため、その第一弾というところです。ゲーム感覚で楽しんでいただけると思いますよ。
ー:楽しそうですね!ちなみに、この先海外の対応Wi-Fiスポットを広げていくご予定はあるのでしょうか?
中:予定としてはあります。ただ、今は海外との行き来が少ないですからね。まずは国内で、対応スポットのさらなる拡充とともに、「WiFiポイント」を含めた付加価値のご提供に注力していくつもりです。
そして世の中が少し落ち着いたら、訪日外国人に向けたWi-Fi環境の整備を進め、その次に海外のWi-Fiスポット拡充へ舵を切っていきます。海外旅行中の方はもちろん、現地の方にも快適にご利用いただけるようにしたいですね。
ー:最後に、ユーザーに伝えたいことはありますか?
中:まず何よりも、ユーザーさんには感謝の気持ちをお伝えしたいです。今のタウンWiFiがあるのは、ユーザーさんのおかげにほかなりません。
その感謝の気持ちを込めながら、これからも我々のサービスを通じてユーザーさんに笑顔やハッピーをお届けできるように、そして“シームレスなWi-Fi利用”を実現できるように日々奮闘してまいります。
そしてゆくゆくは、通信環境に限らず、日本が抱えるさまざまな社会課題にもアプローチできるような組織になれたらと考えています。ぜひこれからのGMOタウンWiFi株式会社にもご期待ください!
アプリ情報
■「タウンWiFi by GMO」
|